様々な事情から、契約している葬儀積立(互助会)を解約したいと考えるケースは少なくありません。例えば、経済的な状況の変化で掛金の支払いが困難になったり、他の準備方法を見つけたり、あるいは遠方へ引っ越してしまい利用が難しくなったりする場合などです。結論から言うと、葬儀積立の解約は、契約者の権利としていつでも行うことが可能です。ただし、そこにはいくつかの重要な条件と注意点があり、それを理解せずに行うと「こんなはずではなかった」と後悔することになりかねません。まず知っておかなければならないのは、解約しても、これまで払い込んだ掛金が全額戻ってくるわけではない、ということです。互助会の積立は、銀行の預金とは異なり、将来のサービスを受ける権利を購入する契約です。互助会側は、会員募集のための広告宣伝費や人件費、契約を維持管理するための事務経費などをすでに支出しています。そのため、解約する際には、これらの経費に相当する金額が「解約手数料」として、払い込んだ掛金総額から差し引かれるのが一般的です。この解約手数料の割合は、契約した時期や互助会の規定によって異なりますが、おおむね払い込み総額の十パーセントから二十パーセント程度に設定されていることが多いようです。解約手続きは、まず契約している互助会の窓口に連絡し、解約の意思を伝えることから始まります。その後、所定の解約申込書に必要事項を記入し、会員証や本人確認書類などと共に提出します。手続きが完了すると、払い込み総額から解約手数料を差し引いた金額(解約返戻金)が、指定した銀行口座に振り込まれます。もし、掛金の支払いが困難になった場合でも、すぐに解約を選択するのではなく、一時的に支払いを休止する「払込中断」や、月々の掛金を減額するプラン変更といった選択肢がないか、一度互助会に相談してみるのも一つの方法です。