通夜と告別式(葬儀)は、本来異なる意味合いを持つ儀式であり、服装のマナーにも「通夜は地味な平服でも良い(取り急ぎ駆けつけるため)」「告別式は喪服(正装)」という違いがありますが、腕時計のマナーに関してはどうでしょうか。基本的には、通夜であっても告別式であっても、「華美でないもの」「目立たないもの」という時計の基本ルールは共通しており、大きく変わることはありません。しかし、通夜の場合は「急な訃報を聞いて仕事帰りや外出先から直行した」という状況が想定されるため、多少カジュアルな時計や、ビジネスライクな金属ベルトの時計をしていても、「準備が間に合わなかったのだな」と好意的に解釈され、許容される範囲は広くなります。一方、告別式はあらかじめ日程が決まっており、準備をして参列する儀式ですので、ここでマナー違反の時計(ゴールドや派手な色のもの)をしていると、「準備不足」「常識がない」という厳しい評価を下されることになります。つまり、通夜では「やむを得ない事情」が考慮されますが、告別式では「言い訳が通用しない」というのが実情ですので、告別式には必ずフォーマルな時計(黒革ベルト・白文字盤)で臨むべきです。また、通夜振る舞いなどの席でお酒が入ると、つい気が緩んで時計を見せびらかしたり、アラームを鳴らしてしまったりすることもありますが、通夜の席も供養の一部ですので、最後まで気を抜かずに慎み深い態度を保つことが大切です。もし、通夜と告別式の両方に参列する場合で、時計を一本しか持っていけないなら、よりフォーマル度の高い時計を選んでおけば両方のシーンに対応できますので、常に「格式の高い方」に合わせて準備をしておくのが間違いのない方法です。